今日はカカオの木をもう1本植えて、ミルクチョコレートの仕仕むこみに着手した。テンパリング機は動かさなかった。「シルク」を作るのを忘れていたから。カカオバターのシルクとは、純粋のカカオバターを35.5℃でで12時間以上保持して、タイプ5の結晶でいっぱいになったペーストのこと。そう、結晶。氷や塩、砂糖が結晶化するのと同じように、カカオバターも同じように振る舞う。
カカオバターは6種類の結晶構造を取り得て、この性質を多型現象(ポリモルフィズム)と呼ぶ。チョコレートを溢かして固めると、自然にタイプ1〜5の結晶ができて、もろい食感でごぼった白っぽい見た目になる。これが未テンパリングのチョコレート。口当たりや食感に大きく影響する。
ちゃんとテンパリングされたチョコレートは、まず溨かしてから26.7℃ほどまで冷やし、再び32℃ほどまで温め直す。この温度ではタイプ5の結晶だけが生き残り、他の下位の結晶は溨けてしまう。ここでシルクを加えると、タイプ5の結晶が綺麗に自己複製して積み重なっていく。伝統的には冷たい大理石の台で行う作業だけど、機械を使えばはるかに簡単で安定する。タイプ6はチョコレートが固まった後、数ヶ月かけて形成される。
タイプ5の結晶だけになった状態で固まれば、チョコレートは美しいつやが出て、割った時に快いパキンと音がして、口の中でなめらかに溨ける。
次にチョコレートを食べるときは思い出してほしい。あなたはチョコレートの結晶を食べているのだと。




2021年9月30日に投稿。Ha’a Chocolateの食用林を記録した、日々の植栽日記の一部です。
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